雨漏りが気になる、でもリフォームするにしても値段がわからないと悩んでいませんか。この記事では、工程ごとの内訳と見積もり時における注意点もご紹介します。

カバー工法とは

カバー(重ね葺き)工法は既存の屋根材の上に新たな屋根材を重ねる工法です。一般的にはスレート屋根に対して、軽い金属屋根を重ねる工事が多く実施されています。
カバー工法は比較的に施工しやすい工法で、様々なメリットがあります。

カバー工法のメリット

葺き替え工事に比べ費用が安い

既存の屋根材に新たな屋根材を重ねるため、既存の屋根材を撤去する必要もなく、撤去費用や下地の修復費用等はかかりません。

葺き替え工事に比べ工期が短い

既存の屋根の撤去や下地の補修作業が発生しないためです。一般的に葺き替え工事は10~14日かかるのに対して、カバー工法は5~10日ほどの期間です。

防音性・防水性の向上

屋根の厚さが厚くなるためです。また、新たな屋根材を重ねるときに防音材や断熱材を挟むとその効果はさらに高まります

カバー工法のデメリット

屋根の内部の損傷は直っていない

カバー工法では屋根の内部(下地や防水材)の補修は通常できません。カバー工法は、既存の屋根材に新たな屋根材をかぶせる手法だからです。

屋根が重くなり耐震性に懸念

建物は重くて重心が高いものほど大きく揺れる傾向があります。耐震性が心配な場合は見積もり時に専門業者へ相談しましょう

カバー工法の費用の相場は

カバー工法の費用の相場は80万円~120万円程です(30坪を想定)。同じ坪面積でも価格に大きな差が出ます。理由は大きく分けて次の3つです。

屋根材の材料費

費用の相場に差が出る理由の一つは、屋根材によって材料費が異なるからです。たとえば、3種類の材料の特徴と費用を紹介します。ガルバリウム鋼板やSガルバリウム鋼板は耐震性が高く、サビにくく人気が高まっています。アスファルトシングルも耐久性や耐震性及び防水性に優れています。

費用は1平米あたりガルバリウム鋼板は6,000~8,000円、Sガルバリウム鋼板は7,000~9,000円、アスファルトシングルは5,000~7,000円程度です。

他にも断熱材を含む屋根材の仕様や高品質の防水シート、下地材の使用により費用は大きく異なります。カバー工法は材料費により総額は大きく変わるのです。

屋根材 特徴 単価
(円 / 平米あたり)
ガルバリウム鋼板 サビにくい、耐震性が高い 6,000~8,000
Sガルバリウム鋼板 ガルバリウム鋼板よりも
サビにくい、耐震性が高い
7,000~9,000
アスファルトシングル 耐久性、耐震性、防水性が高い 5,000~7,000

屋根の形状

カバー工法は屋根の形状によっても金額が異なります。屋根の面数により部材数が異なるからです。例えば、切妻屋根は2面、寄棟屋根は4面です。屋根の面数が増える程、費用は増加します。

見積もり先の違い

仲介料(中間マージン)が発生するためです。例えば、業者の紹介サイトやハウスメーカー等を介して施工業者を探す場合、仲介料が発生します。仲介料は工事に追加されて請求されます。可能であるなら、施工業者に直接見積もりしましょう。仲介料を余分に払う必要はありません。

カバー工法の工程と内訳

一般的なカバー工法の工程は次の順番です。仮設足場の組み立て作業をし、棟板金の取り外しと清掃。防水シートを張り屋根材の取り付け工事をします。棟板金の施工、換気塔の取り付け、雪止め処理を実施し、仕上げ確認、足場解体です。

工程ごとに費用は発生します。カバー工法の工程を基にした費用の内訳は下の表です。見積もり時は工程ごとの費用をお願いしましょう。余分な費用の有無も確認できます。

施工内容 数量 単価 円 / 数量 金額
足場組立・解体 200 800 160,000
棟板金の撤去 8 2,500 20,000
防水シート張り 80 1,400 112,000
屋根材の取り付け工事
(ガルバリウム鋼板)
80 8,000 640,000
棟板金の施工 8 6,500 52,000
換気塔の施工 2 29,000 58,000
軒先等の板金処理 30 3,600 108,000
雪止め処理 20 2,000 40,000
その他諸経費 1 35,000 35,000
    合計 1225,000

カバー工法の見積もり時の注意点

工事の内訳が記載されているか

工事一式100万円といったように費用がまとめられている場合は注意しましょう。必ず施工内容の内訳を確認してください。

板金工事会社に見積もりする

一般的にカバー工法は板金工事会社が実施します。そのため、板金工事会社ではない会社にカバー工法を依頼すると、同社が板金工事会社へ外注する費用を請求されるケースがあります。

カバー工法を頼むとき、複数の業者を介すほど仲介料は高くなります。カバー工法を実施する場合、板金工事会社へ直接見積もり依頼をしましょう。

見積もりの内容を説明してくれる業者に依頼する

説明もなく契約を急かす会社や、こちらの質問に返答できない業者は変更も検討してください。カバー工法は決して安くないです。業者の説明が不十分のままで契約し、工事を実施するのは危険です。

カバー工法でよいのか判断してくれる業者に依頼する

見積もり時に業者の方に屋根の健康診断をしてもらいましょう。本当にカバー工法で問題を解決できるかを判断してもらいます。

下地の状態が悪ければカバー工法は施工できません。カバー工法を実施中に下地の損傷が予想以上の場合、工事の途中変更もあり得ます。工事前にどの施工が最も適しているかを確認してもらいましょう。

相見積もりを取る

相見積もりは複数の業者に見積もりを依頼することです。残念ながら不当に料金を上げたり、工事の内容を誤魔化したりする悪徳業者も存在しています。悪徳業者への依頼を防ぐためにも、相見積もりをお願いし複数の業者を 比べることをおすすめします。

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