外壁塗装を考えているけど、「工程も分からないし、工期はどれくらいかかるのか不安」。こんな悩みをお持ちではないでしょうか。この記事では一般的な工程・工期や作業内容を紹介します。また、「ご近所に迷惑がかかるのでは?」「悪徳業者かどうかを、事前に見極めたい」と考えている方へ解決法もお伝えします。

なぜ外壁塗装が必要なのか

外壁塗装は建物の外壁に新たな塗料を塗る工事です。見た目を美しくするだけではなく、建物の機能性を向上させます。

一般的な外壁塗装の目的は次の4つです。

美しい外観の整備

塗装により新築時のような外観になります。また、色を変更し従来とは異なる雰囲気を醸し出し、おしゃれな外観の家にすることもできます。

耐久性の向上

風雨や紫外線、雨など自然現象から外壁を保護します。外壁は365日外気に触れているため、刺激により傷みが早いです。下地へのダメージを抑えて家の寿命を長持ちさせます。

遮熱性の向上

遮熱性の塗料を塗ると、室内の温度変化を低減できます。省エネ・電気代の節約につながります。

外壁の防汚

防汚機能があり、塗装することにより、美しい見た目を保持できます。

外壁塗装の工程と工期

一般的な外壁塗装の工期は10~14日程度です。最低でも2週間はかかるとみておけばいいでしょう。一般的な外壁工事の工程は以下のようになります。サイディングやALC外壁の場合のみシーリングの打ち替えが発生し、工期が2日程度延びます。モルタルではシーリングの打ち替えは発生しません。

外壁塗装業者と打ち合わせをする場合は下記工程の抜けがないかを確認してください。

外壁工事の工程 所要日数
近隣あいさつ 1日
足場の設置 1日
塗装前の洗浄 1~3日
下地処理
※サイディングやALCの外壁の場合(シーリング打ち替えも施工)
1日~
塗装前の養生 1日
下塗り 1日~
中塗り 1日~
上塗り 1日~
点検と手直し 1日
片付け 1日
近隣あいさつ 1日

※サイディング外壁:サイディングは板状の外壁素材。サイディングを外壁に貼り、シーリング材でサイディング同士をつないで使用します。

※モルタル外壁:モルタルはセメントと砂と水を練り込んだ建築材料。粘土のような見た目でコテなどを使用し外壁に塗ります。

※ALC外壁:ALC外壁は軽量気泡コンクリート。一般的なコンクリートの1/4程度の重量。シーリング材でALC同士をつないで使用します。

外壁工事の工程の内容

近隣あいさつ

外壁塗装工事はトラブルを避けるためにも、事前のあいさつ回りが大切です。塗料の飛散や悪臭、足場の組み立て騒音などが原因で近隣住民と揉める事例も散見されます。

あいさつの内容は工事の内容や期間などです。工事の1週間前から前日までに済ませましょう。近年では、業者で粗品や手紙を用意してくれるところもあります。

足場の設置

外壁工事の作業上の理由や職人の安全確保のため足場が必要です。さらに、洗浄中や塗装中に水や塗料が飛散するのを防止するために養生シートを足場周りに張ります。
また、足場の専門業者に依頼する場合は工期が1日~2日程増えるため注意が必要です。

塗装前の洗浄

外壁の塗装面に張り付いた古い塗料や汚れ、ほこり、こけ、カビを高圧水流により洗浄します。塗装前に外壁をきれいに洗浄することで、塗料の接着性が向上します。洗浄が不十分のまま塗装すると、1年から2年などの短い期間で塗装が直ぐにはがれてしまう恐れがあります。
洗浄後は1日から2日程度乾燥させてから次の工程に移ります。
また、高圧洗浄時、洗濯物は干せません。

下地処理

高圧洗浄で落ちなかった汚れやサビ、古い塗装落としや下地のひび割れや欠損の補修、塗料の密着性向上のための表面研磨をします。下地補修は塗装前段階の一番重要な工程です。そのため、見積もりに下地処理が含まれているかを必ず確認しましょう。

シーリング打ち替え

外壁がサイディングかALCの場合は、シーリングの打ち替え処理をします。シーリングは外壁材と外壁材のすき間を埋めるゴム状の物質です。防水機能を担っているため、補修は欠かせません。

塗装前の養生

窓やサッシ周りのシーリング、床、植木などを塗料から保護するための作業です。マスキングテープやビニールシートで家屋を覆います。塗装作業はローラーやはけで作業するものの多少周りに塗料が飛び散ります。

下塗り

塗装工程は一般的に3段階あり、下塗り、中塗り、上塗りです。下塗りは中塗り、上塗り塗料の密着性を高める工程です。外壁の状態によっては、複数回下塗りすることもあります。
見積もりに、シーラーやプライマー、フィラーの記載があるのかを確認しましょう。

中塗り

下塗りが乾くと中塗りです。乾燥が不十分だと塗装の密着性が落ちてしまうため、しっかり乾燥させた後に塗装します。

上塗り

しっかりと乾燥させた後に塗装するため、通常各工程で1日ほどかかります。確実に乾燥しないと上塗りする塗料の性能は十分に発揮されません。もし、中塗りと上塗りの工程が同日の場合は注意しましょう。工期短縮のため1日で中塗りと上塗りを実施しているかもしれません。

点検と手直し

塗り残しや塗りムラ、塗料の飛び散りなどがないか点検がおこなわれます。依頼者も立ち合い確認をするため、気になる箇所は指摘し手直ししてもらいましょう。

片付け

「点検と手直し」まで完了すると、足場やシートを解体します。

近隣あいさつ

協力のお礼や感謝の気持ちを伝えるだけで構いません。終了後のあいさつも業者で実施してくれる場合もあります。

外壁塗装の工期が延びる二つの理由

順調に進むと外壁塗装は2週間程度で完了します。しかし、天候条件や外壁の状態により工期が伸びる場合もあります。

補修に時間がかかる

下地の劣化が激しいと下地補修や下塗りの時間がかかります。また、塗装面積や外壁の形状によっても作業時間の増加により工期が延びます。

塗料が乾かない

外壁塗装は乾いてから重ね塗りしないと十分な機能を発揮できません。そのため、雨や低気温の場合は乾燥に時間がかかります。また、風が強い日も表面にほこりや塵が付着するため作業は困難です。

工期が延びても追加費用はか掛かりません

ただし、契約時に工期が延びると追加料金が発生するといった文言が書いていれば要注意です。契約時に必ず工期が延長した場合の費用を確認しましょう。

外壁塗装の業者を選ぶ際の注意点

外壁業者を選ぶ際の注意点を3点紹介します。見積もり時に確認し優良業者にお願いしましょう。

工期

目安は10日よりも短期間の場合です。外壁塗装はおよそ2週間かかります。これよりも短い場合は工程の省略や塗料の乾燥を待たずに重ね塗りを行う想定かもしれません。

費用の詳細な内訳

外壁塗装は工程を一つ無くすだけで、不良を来す恐れがあります。そのため、必要な工程が網羅されているか確認してください。

保証の確認

たとえ、実績のある業者でも塗装がはがれたり、サビが目立つなど不具合は発生してしまいます。契約前にどれくらいの期間、どこまでの範囲が保証の対象なのかを取り決めてください。口頭説明のみならず、書面で必ず確認しましょう。

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