防水工事は、数年に1回程度と頻繁に行いません。
そのため、防水工事を頼むときには「どんな流れだろう」となんとなく不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。

本記事では、防水工事を検討されている方に、防水工事の問い合わせから保証までの大まかな流れを16ステップで紹介しています。

防水工事の大まかな流れ

1. 電話またはメールでの問い合わせ

はじめに依頼者から施工者へ問い合わせを行います。
インターネットのホームページを見てメールによる連絡や、施工者へ直接見積もりの相談をすることが多いです。

2. ヒアリング

インターネット上で見積もり依頼を行うと、メール返信や電話で依頼者に直接連絡が来ます。
もし電話で相談をした場合は、同時にヒアリングがある場合もあります。

ヒアリングでは、建物の形状や施工場所、希望の工事内容などを確認します。
ヒアリングをもとに、現地調査や打ち合わせの日程を決めます。

3. 現場調査・劣化診断

ヒアリング後は、現場の確認です。
施工場所の確認や、築年数、工事内容、使用する材料など工事に関して必要な点を実地確認します。
この際、防水工事を施す前に、下地の補修の必要性など他の問題がないか同時に防水工事のプロが丁寧に確認します。

4. 打ち合わせと最適なプランの提案

現場調査の結果をもとに、最適なプランを提案します。
例えば、「ベランダの防水はウレタン防水がおすすめです」といった提案や、
同じベランダでも「BBQの実施も考えているならFRP防水がおすすめです」といった具合です。防水する場所の用途に合った内容を提案します。

5. 見積もり・工事提案書の提示

打ち合わせが終わるとそれに基づいた工事提案書や見積もりの提案があります。
同時に施工スケジュールや施工工程についても説明をうけます。
一般的には現場調査の結果を報告書にまとめた内容をもとに、工事提案書と見積もり書の提案があります。

6. 検討・契約

見積もりや工事提案書をもとに工事を依頼するかどうかを検討します。
ここで契約すると後からの内容の変更には費用が発生するため、しっかりと内容を検討しましょう。
もう少し調整したいという場合には改めて施工者と相談を行いながら、内容を精査していきます。その後、納得できる契約内容でしたら、契約です。

7. 工事着手前の支払い

工事の規模や金額によっては、着手前に契約金額の○○パーセントを頭金として支払う場合もあります。
これは、施工者によります。しっかりと確認しながら進めましょう。(契約代金の数十パーセントが相場です)

8. 施工工程の打ち合わせ

契約や頭金の支払いが終わると、施工工程の説明や事前打ち合わせです。依頼主の予定に合わせた工事日程の打ち合わせをします。

9. 近隣への挨拶

足場やレッカー車など大規模工事になる場合には、近隣の方に挨拶に行く場合があります。
依頼者の同行は任意であることが多いです。

10. 工事着手前準備

工事する場所の片付けをしましょう。ベランダに出しているものは家の中にしまいます。
工事内容によりますが、植木鉢のような小物類からテレビのアンテナも移動する場合があります。工事の妨げになりそうなものは片付けるようにしましょう。
もし、足場やレッカー車が必要な場合はこのタイミングで準備をします。

11. 施工実施

各種防水工事の開始です。防水工事によって工程や期間は変わってきます。
打ち合わせ時にしっかりと確認しましょう。一戸建てのベランダやバルコニーは早くて1日から2日程度、長くても3日から4日程度で終わることが多いです。

12. 施工完了

防水工事が完了すると、施工者側で最終チェックを行います。そこで工事に問題がなければ、仕上がり検査に移ります。

13. 仕上がり検査

依頼者立ち会いのもと、工事の完了チェックです。ここで、施工者から依頼者へと工事内容や仕上がりの説明があります。
また、依頼者の最終チェックの場になるため、気になる点があればしっかりと質問しましょう。

14. 工事終了

仕上がり検査に問題がない場合、工事完了です。そのまま引き渡しとなります。

15. 請求書・支払い

工事終了後、その場で支払いもしくは後から請求書が送付されてきます。
着工前に支払った頭金との差額を支払います。工事の内容や金額によっては、着手金はないこともあります。見積もり時にしっかりと確認しましょう。

16. 保証・アフターサービス

一般的には、数年間の漏水保障や無料点検がくることがあります。保証期間及びその内容は工事内容によって変わるので、施工者にしっかりとご確認ください。
また、保証とは別に、アフターサービスとして、数か月おきに定期点検、メンテナンスを実施する業者もあります。
時期になると、メールや手紙で連絡されることが多いです。もし、アフターサービスも付属している場合は、日程をたててしっかりと点検してもらいましょう。

ここまでで防水工事の一般的な流れを16ステップにて紹介いたしました。
もちろん、施工者によってはさらに細かくサービスが行き届いていることもあるでしょう。打ち合わせ段階からしっかりと工事の全体像を把握するようにしましょう。

ウレタン防水工事の工程の具体例

防水工事自体の流れはどのようなものでしょうか。具体例として、ウレタン防水の工事の流れを紹介します。

下の表がウレタン防水工事の工程の具体例です。ウレタン防水といっても工法は複数あり、その種類によって工程は異なります。工程の違いにより期間や値段も違います。この点は見積もりや工事の相談時における注意ポイントです。

ウレタン防水工事の流れ
工法 密着工法 メッシュ工法 通気緩衝工法
作業内容 高圧洗浄
下地処理
プライマー塗布
中塗り メッシュシート貼り 通気緩衝シート貼り
上塗り(トップコート塗布) 中塗り 端部シーリング防水
  上塗り(トップコート塗布) ジョイントテープ貼り
    ジョイント下塗り
    脱気筒取り付け
    メッシュシート貼り
    中塗り
    上塗り(トップコート塗布)

ウレタン防水工事の場合、最初の工程は同じです。
ウレタンを塗布する場所の高圧洗浄、下地処理、プライマー塗布(ウレタンが密着しやすいようにすること)です。その後が、工法により異なってきます。

密着工法の場合は、中塗り塗装後、上塗り塗装し終了です。メッシュ工法はプライマー塗布の後、メッシュシートを貼り、中塗り、上塗りです。通気緩衝工法は、プライマー塗布の後、さまざまなの工程を行い最後に中塗り、上塗りをします。

このように、工法により作業量は大きく変わります。そのため、見積もり時にはしっかりと内容を吟味してくださいね。

その他の防水工事

今回紹介したウレタン防水工事の他にも、シート防水やFRP防水、アスファルト防水及びシーリング防水とさまざまな防水工事があります。
例えば、シート防水も密着工法や機械固定工法、シーリング防水は打ち増し、打ち替えと種類が異なります。防水工事の名前だけではなく、その「工法」も確認し、見積もりや打ち合わせを行うのがスムーズです。

工事の工法や進め方を全て知る必要はありません。しかし、インターネットで最低限の情報を得た後に防水工事の見積もり、依頼をすると納得感のある工事が見込めます。

まとめ

防水工事を依頼する場合はこれら一連の流れの把握をおすすめします。

そうすることで、「どんな流れだろう」と初めてで不安という方も不安を解消できるでしょう。

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