自宅のベランダを防水しようと考えて、こんなことを思ったことはありませんか。
「ベランダなら自分で防水工事できるのでは」
そう考えているあなたに、ベランダ防水のDIYの手順、メリット・デメリットを紹介します。
この手順を読み、正しく活用できれば「ベランダ防水のDIY」を実践できるでしょう。
DIYってなに?
DIYは「Do It Yourself」の略称です。その意味は、あなた自身の力でやり遂げるという考え方です。
例えば、DIYは簡単な家具から壁の修理、小物づくりなど「自分の力」でものを作ることです。
このようにDIYは、専門家や業者の力を借りずに自分の力で作る、修理する、リノベーションする側面が大きいです。
ベランダ防水のDIYとは
防水工事なんて自分でできるのと不安は多いでしょう。しかし、その手順や材料、注意点はホームページ上で紹介されていることも多いです。
それらに注意しながら「自分でできる範囲」でのDIYも検討してみてはいかがでしょうか?
ベランダの防水工事の具体例
ベランダ防水のDIYの説明に入る前に一般的なベランダ防水の工法を紹介します。ベランダ防水の多くは、ウレタン防水、FRP防水及びシート防水です。
ウレタン防水やFRP防水は下地の上にプライマーを塗布。その後FRPシートの接着やウレタンの塗布を行い、最後に上塗り(トップコート)をします。
シート防水も下地の上にプライマーを塗布、その後防水シートを被せます。このように防水工事は、下地の上に防水膜を設置、塗布し水の侵入を防いでいます。DIYの防水工事も似た手順です。
ベランダ防水のDIYのおすすめ工法
個人でベランダ防水のDIYを行う場合には、「自分自身」でできるかの判断も重要です。
ベランダの劣化状態が進んでいる場合は、プロに任せた方が安心、確実です。自分自身で判断し防水工事すると悪化も十分にあり得ます。
最低限、ベランダの下地について次の3つを確認するようにしてください。
1. コンクリートがむき出しか
2. 既にウレタン防水かFRP防水が行われているか
3. 既にシート防水が行われているか
1の場合は、DIYが可能です。
ただし、ひび割れがひどい場合は自分自身での補修は難しいです。ひび割れの補修は簡単そうに見えますが、熟練の職人と素人では質に大きな差が出てしまいます。その結果、DIYしても水漏れを補修できない可能性が高いです。
2の場合は、上塗り(トップコート)の塗り替えだけを行いましょう。
既存のFRP防水層やウレタン防水層の除去、塗り直しは素人ではハードルが高いです。もしかすると失敗し、プロに依頼しなおし二度手間になりかねません。その点、トップコートの塗り直しは比較的に行いやすいです。ただし、自分自身でトップコートを除去する必要はあります。そのために、アセトンややすりも準備しなければいけません。
3の場合は、プロにお任せしましょう。
シートを貼りなおす工程はDIYでは困難です。雨漏りをしている場合は、既存のシートを剥がし、それに合うようにぴったりとシートを貼らなければなりません。プロは簡単かもしれませんが、素人がすき間なく貼るのは高度な技術が必要です。
このように、DIYは比較的簡単な工法から控えた方良いが工法まであります。そこで、比較的DIYしやすいウレタン防水を例に説明していきます。
ベランダ防水のDIYにおける必須品とは
作業道具の一例を紹介します。
最低限でもこれらは必要です。ホームセンターで購入できるものばかりです。
- 汚れても良い服
- 軍手
- スクレーパー(金属ベラ)
- 塗装用ローラー
- ローラーバケツ
- ハケ
- 高圧洗浄機
- ほうき
- チリトリ
- 養生テープ
- 養生ビニールシート
- ウレタン防水塗料
ウレタン防水塗料の選択方法
ウレタンの防水塗料を選ぶ場合は、一液性の材料もしくは、下塗り材、防水塗料、トップコートがセットの材料を選びましょう。
一液性とは一つの材料だけで機能を果たす材料です。
一液性の材料の他に二液性があります。二液性は、二種類の材料を混ぜ機能を発現するものです。二種類を混ぜる際の比率を間違えると上手く固まらず、防水機能を果たさないなど施工後に不良を生じることもあります。
そのため、DIYをする場合は、一液性の材料をおすすめします。
また、下塗り材、防水塗料、トップコートがセットの材料を買いましょう。ウレタン防水加工は下塗り、防水塗料塗布、上塗り(トップコート)の順で施工します。そのため、セット材料を買うと必要な材料が一式揃います。
さらに、セット材料は材料同士の相性が考慮済みです。そのため、違うメーカー同士の材料を使用し相性不良を起こす懸念を無くせます。
ベランダ防水のDIYの7ステップ
ステップ1:ベランダの片付け
ベランダ周りの片付けをしましょう。少しでも物が残っていると邪魔になってしまいます。
ステップ2:ベランダの洗浄
きれいに洗浄しないとプライマーを下地に定着できません。つまり、ベランダ防水の品質が悪くなってしまいます。具体的には高圧洗浄機やデッキブラシを使い、細かな汚れを落としていきます。
※もし、トップコートの塗り替えだけの場合は、金属ベラといったヘラで塗装済みのトップコートをはがします。その後、ベランダの洗浄をし、Step6:トップコート塗りへ移行します。
※この段階で下地にひび割れが発生している場合、下地の補修をします。
※既にウレタン防水がしてあり、下地のウレタン層が劣化している場合はプロに委託しましょう。ウレタン層の補修は、DIYでは困難です。
ステップ3:養生
養生はビニール防水材で壁や窓と汚れないようにすることです。窓や壁が汚れるのを防ぐためにもしっかりと養生しましょう。
ステップ4:プライマー塗布(下地塗り)
プライマーは下地と防水材の接着力を高める効果があります。ここを適当にやってしまうと、防水層がはがれる懸念があります。プライマー塗布は丁寧にきれいにしましょう。
塗り終えたら乾燥させます。一般的には3時間から4時間程度です。
※乾燥時間は材料ごとに異なります。そのため、材料の容器に書いてある乾燥時間をしっかりと守りましょう。
ステップ5:防水塗料塗り(中塗り)
プライマーが乾燥後、防水層を塗布します。一般的には二度塗りします。十分な厚みがないと防水機能を果たさないためです。
厚みのムラを可能な限りなくしましょう。スキージかコテで丁寧に塗っていきます。ベランダ一面をしっかりと塗った後は、乾燥させて二度塗りします。材料によりますが、乾燥時間は12〜16時間程度です。
乾燥前に二度塗りしてしまうと、防水層のはがれや膨れの原因になってしまいます。
※乾燥時間は材料ごとに異なります。そのため、材料の容器に書いてある乾燥時間をしっかりと守りましょう。
ステップ6:上塗り(トップコート塗り)
防水層が乾燥したら、トップコート塗りです。トップコートの大きな役割は防水層の保護です。トップコートがないと紫外線で防水層の傷みが早くなります。そのため、しっかりとトップコート塗布をしましょう。そして、乾燥するまで待ちます。
※乾燥時間は材料ごとに異なります。そのため、材料の容器に書いてある乾燥時間をしっかりと守りましょう。
ステップ7:養生を取る
トップコートが乾燥したら、養生を取ります。乾いてない状態で歩くと足跡やほこりなどが表面に残ってしまいます。
この工程が終わるとDIYでのベランダ防水は終了です。
DIYのメリット・デメリット
DIY | プロに依頼 | |
---|---|---|
メリット | 工事の価格が安い 悪徳業者に騙されない 業者との打ち合わせをなくせる 日程が自由に調整できる |
材料手配、施工までお任せできる 失敗リスクの低減 プロの仕上がり 保証やアフターケア |
デメリット | プロのアフターケアがない やり直しする可能性がある その結果、費用が余分にかかる 材料や器具を自分で手配する |
業者選びに時間がかかる 繁忙期では、希望の時期に依頼できない |
DIYのメリット
- 工事の価格が安い
工事の価格は、自分で材料や器具を揃えるため比較的安く抑えられます。ただし、高圧洗浄機や補修用の道具の量によってはプロに頼んだ方が安いこともあり得ます。しっかりと、金額を見比べながら進めましょう。
- 業者との打ち合わせを無くせる、悪徳業者に騙されない
業者との打ち合わせが苦手、嫌だ、悪徳業者に引っかからないかと考えている方はその心配がなくなります。材料手配から施工まで自分で決定できます。
- 日程調整が自由
工事の日程を自分でスケジュールできます。プロに頼むと繁忙期の場合は日程調整が難しいことも多いです。そのため、自分で施工日程を全て計画できる点はメリットです。
ただし、ウレタン工事の場合は乾燥工程が入ります。向こう一週間の天気予報は確認し、雨が降らない日程を選びましょう。
DIYのデメリット
- プロのアフターケアがない
一般的にプロに防水工事を頼むと保証やアフターケアがついてきます。そのため、施工後の不備も対応してもらえることが多いです。しかし、DIYはそのような保証はありません。
- やり直しする可能性がある、その結果、費用が余分にかかる
せっかくのDIYをやり直す可能性があります。その結果、新たな材料購入やプロに補修依頼と余分に費用がかかる可能性があります。
DIYといってもプロにはかないません。そのため、完璧と思っても、実は不十分で防水ができないこともあり得ます。DIYを行うメリットはありますが、失敗した場合も自分でやり直すことを念頭に置きましょう。
- 材料や器具を自分で手配する
材料や施工器具の手配が面倒くさい方に、DIYはおすすめしません。プロに頼む場合、養生から補修材、防水材など全ての材料の手配から片付けまで全てお任せです。
DIYの場合はこれらを自前で用意しなければなりません。
まとめ
ベランダ防水は比較的にDIYしやすいですが、様々な注意が必要です。もしかすると、プロに頼んだほうが安くて、質の良いということもあり得ます。そのため、「自分でできる範囲」をしっかりと見極めましょう。そうすることで納得のいくベランダ防水を行うことができます。