防水工事とは

建物内への浸水を防ぐための工事全般を指します。
主に雨漏りを防ぐ目的で行われますが、建物の屋台骨である鉄筋コンクリートの劣化を防ぐなどの効果もあります。

工事の内容としては、防水効果のある塗料を塗ったり、防水材を貼ったりして、防水対策を施します。
具体的には、次のような種類があります。

  • ウレタン防水
  • シート防水
  • FRP防水
  • シーリング防水

ウレタン防水の特徴、
メリット・デメリット

最も一般的な防水工事の方法で、ウレタンで作った液状防水材を塗って防水膜とし、防水効果の維持・向上を図ります。

費用がわりと安く、防水材を塗るだけで廃材などが出ないので、手間もかかりません。
また防水材が液状のため施工場所を選ばず、ほとんどの建物に対応可能です。(例外あり)

一方で、塗料が乾くまでは屋上を歩けない、塗膜の質が作業する人の技術に左右されるといった、デメリットもあります。
また下地がでこぼこしていると、場所によって防水層の厚みに差が出るため、防水効果が十分な箇所と不十分な箇所が生まれます。
さらにウレタンは紫外線に弱いため(黄色く変色します)、定期的に塗り直す必要があります。

ウレタン防水の工法

ウレタン防水工事のやり方には密着工法と通気緩衡工法の2種類があります。
両者には次のような違いがあります。

  • 密着工法:下地とその上に貼った補強布の上に防水材を塗る
  • 通気緩衡工法:下地に通気緩衡シートを貼り、その上に防水材を塗る

密着工法は、下地→防水層→補強布→防水層

通気緩衡工法は、下地→通気緩衡シート→防水層

といった階層を形成します。
前者の特徴は、工期が短く、費用もかからない点。
後者の特徴は、すでに下地に染み込んだ水分も、通気緩衝シートが逃してくれる点です。

そのため、すでに雨漏りを起こしているなど、下地に水分がたまっている恐れのある建物は、通気緩衡工法が適切となります。

シート防水の特徴、
メリット・デメリット

シート防水には、塩化ビニルのシート(塩ビシート)を使うやり方と、ゴムのシートを使うやり方があります。
ここではシート防水の主流である、塩ビシート防水についてお伝えします。

塩ビシート防水は、屋根や外壁の下地に塩ビシートを貼って防水効果を維持・向上させます。
最大のメリットは、塩ビシートを貼るだけと作業が簡単なこと。
工期も短く済むので、今すぐ対策したいという人におすすめです。
また費用も他の防水工事より抑えられます。
さらにウレタン防水と違って下地の状態に左右されないため、
どこでも一定の防水効果を確保できるのも利点です。

一方、シート自体にそこまで厚みがないため、傷つきやすいというデメリットがあります。
またシート間に隙間があると、そこから水が染み込むため、施工時は注意が必要です。

FRP防水の特徴、
メリット・デメリット

FRP防水は、ポリエステルなどで作った防水用樹脂系素材を下地に塗る工事です。
特徴として防水層が軽く、かつ高い防水効果を備えています。
また塗装による防水工事のため、さまざまな建物で施工可能な点も利点です。

一方、ほかの防水工事に比べて費用がかかります。

シーリング防水の特徴、
メリット・デメリット

シーリングとは、外壁の間など建物の隙間を充填剤で埋めることです。
充填材(シーリング材)にはシリコンやウレタンなど、様々な種類があり、国内ではシリコン製の充填剤が多く使用されています。

シーリング材が劣化してくると、そこから水が建物内に侵入する恐れがあります。
そのため定期的に状態をチェックし、剥離・破断・ひび割れなど損傷が激しい場合は、
すぐに交換しなければいけません。

特に外壁のシーリング材は、雨風や紫外線にさらされているため、屋内のシーリング材より劣化が速く進みます。
明確な寿命はありませんが、だいたい5~10年で交換目安といわれています。

適切なタイミングでシーリング防水工事を施さないと、鉄筋コンクリートなど他の部分にも損傷が広がってしまい、結果的に修繕費用が増えてしまう恐れがあります。

シーリングの状態を定期的に確認し、必要に応じて打ち替えることで、建物の価値を少しでも長く保つことができます。

塗装工事はまだ必要ないお客様でも、シーリングの劣化が激しい場合には、そちらの打ち替えだけをおすすめいたします。

1つでもあてはまったら雨漏りの恐れも!防水工事チェックリスト

お客様の建物の雨漏りリスクを簡単に判断できるチェックリストです。
ぜひ使ってみていただければと思います。

もし1つでもあてはまったら、雨漏りしている恐れがあるので、
一度、専門家に見ていただくことをおすすめいたします。

室内のチェック項目

室外のチェック項目