
皆さんは屋根の塗装を気にしたことがありますか?
普通に生活していると、あまり意識することのない屋根。ましてや屋根の塗装まで気にする人は、そこまで多くないのではないでしょうか。
今回は屋根の「塗装」の重要性についてです。
そもそも屋根に塗装は必要なのか
屋根の種類はスレート、金属、瓦と大きく3種類に分けられれますが、ほとんどの場合塗装が必要です。
スレート屋根
軽量で建物への負荷が少なく、地震対策に優れるとされる建材です。10年ほどで初期塗装による防水性が失われていくため塗装を含むメンテナンスを検討する必要があります。
金属屋根
軽く、施工しやすいことが特徴の金属屋根ですが、文字通り「金属」ですのでサビ防止のために塗装による保護が必要です。
瓦屋根
瓦にもいくつかの種類がありますが、セメント瓦やモニエル瓦は材質自体に防水する力はなく、やはり塗装が必要となります。
日本瓦や和瓦とも呼ばれる粘土瓦は塗装不要と言われていますが、瓦を固定するために使われている「漆喰(しっくい)」が、およそ10年でひび割れなどの劣化がおこることがあり、メンテナンスをおこなう必要があります。
屋根を塗装する理由とは?

多くの場合、屋根に塗装は必要なことがわかりました。
その理由は次の3つです。
見た目
塗装をする理由を聞かれて、多くの人が最初に思いつくのが見た目ではないでしょうか。屋根を塗装することによって屋根を美しく仕上げることができます。
機能付加
塗装に用いる塗料により、近赤外線を反射することで建物内に入る熱を抑えたり、屋根の汚れを雨で流れやすくする、セルフクリーニング機能をもたせることもできます。
保護
最も地味かもしれませんが、屋根を塗装する1番重要な理由が保護のためです。
絶えず日光や風雨にさらされている屋根は、どのような建材を用いたとしても保護が必要です。
塗装は何から屋根を保護しているのか
屋根塗装の最も重要な理由は「保護」です。
では、いったい何から屋根を保護しているのでしょう。
日光(紫外線)
夏の暑い日、人間ならエアコンのきいた室内で快適に過ごすことができますが、屋根はそうもいきません。そもそも「快適な室内」を作り出しているのが屋根であり、その屋根に施された塗装なのです。塗膜が紫外線のエネルギーを反射することで、室内を快適にすると同時に、屋根の劣化を抑えてくれます。
雨
屋根が室内を雨から守ってくれるのは、塗装があってこそです。屋根に使われた建材が水を吸い込む性質がある場合は塗装によってコーティングし、防水処理する必要があります。
サビ
水と酸素があれば金属は時間とともにサビていきます。そこで、鉄よりも反応しやすい物質を配合した塗装を施すことで、サビの発生を抑えることができます。
塗装が必要な屋根の状態とは?

一般的に屋根塗装を塗り替える目安は、新築から10年、塗り替え後は7~15年と言われています。
屋根の劣化が始まると様々な症状が現れます。
ひび割れ
ひびが入っていたり割れていたりする状態で放置すると、そこから劣化が始まり、雨漏りの原因となります。瓦屋根の場合は滑落の原因となることもあり非常に危険です。
カビや苔の発生
屋根に緑色の汚れのようなものが発生している場合、それはカビや苔かもしれません。どちらも雨水や湿気などの水分によって発生するため、塗膜の防水性が低下している証拠です。
サビ
金属屋根の項目でも触れたとおり、サビを防ぐために塗装を施します。屋根がサビてきているということは、塗装の保護効果が低下している可能性が高いでしょう。
反り
屋根材が反ってしまっている場合は、水が染み込んだことが原因で劣化していることが考えられます。反りが大きくなると張り替えが必要となる場合もあります。
塗装はがれ
これはもう説明するまでもないかもしれません。塗装による屋根の保護がなくなっている状態ですので、雨漏りなどで建物の内部に被害が及ぶ前に、塗り替えを検討してください。
色あせ
状態にもよりますが、塗膜の劣化が始まっている状態です。塗装による保護がなくなってしまったわけではありません。ですが、専門家に見てもらうなどの対応を考えた方がよいでしょう。
屋根の状態を確認するときの注意
屋根の状態は、2階から下屋根(1階部分の屋根)を目視することで確認できますし、家の外から双眼鏡を使うのもよいでしょう。また、外壁の状態を確認することで、屋根の状態をある程度推測することもできます。
ですが、無理に屋根に登ることは非常に危険ですので、気になる箇所があった場合は専門の業者に依頼することも検討しましょう。