
屋根塗装を検討したとき、塗料選びは業者におまかせでいいのでしょうか。
「少しでも安くしたい!」「できるだけ耐久性のある塗料にして欲しい!」など、建物の状況によって最適な塗装をしてほしいですよね。
屋根塗装に限っても様々な会社から多くの種類の塗料が発売されていますが、種類や性能によって金額も変化します。
要望に合った屋根塗装ができるように、塗料の種類を見ていきましょう。
安価な順に塗料の種類を紹介します。
主な塗料の種類
アクリル塗料 耐用年数:5~7年
古くから屋根塗料として普及している塗料です。
他の塗料にくらべて安価なため、塗装工事を安くできるというメリットがあります。
ですが、その分耐用年数が短く、塗装工事の回数が増えて結果的に高くついてしまうことも。
【メリット】
- 価格が安い
- カラーバリエーションが多い
- 扱いやすい
【デメリット】
- 耐久性が低い
【こんな人にオススメ】
- とにかく安くしたい
- 色にこだわりがある
ウレタン塗料 耐用年数:8~10年
塗膜に光沢があり、高級感がある塗料です。
アクリルに比べて樹脂が柔軟で密着度が高くなります。ただし、やはりそこまで耐用年数が長いわけではなく、最近はシリコン塗料に押され気味です。
【メリット】
- ツヤがあり、見た目がいい
- キズができにくい
- 割れにくい
【デメリット】
- そこまで耐久性はない
- シンナー臭がする
- 紫外線で変色しやすい
【こんな人にオススメ】
- そこそこの価格に抑えたい
- ツヤで高級感を出したい
シリコン塗料 耐用年数:11~15年
価格と耐久力のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れた塗料です。
紫外線や汚れにも強く、現在の屋根塗装の主流です。
【メリット】
- コストパフォーマンスに優れる
- 汚れに強い
- 耐久性が高い
- カビに強い
- 熱に強い
【デメリット】
- ひび割れやすい
【こんな人にオススメ】
- 価格と耐久性のバランス重視
- 広く使われている安心感が欲しい
フッ素塗料 耐用年数:15~20年
近年採用されることが多くなった、耐久性に優れた塗料です。
親水性があり、汚れが付着しても落ちやすいといった特徴もあります。
他にも耐熱・低摩耗など、まさに理想的な塗料ですが、高価なため初期費用が多くかかってしまいます。
【メリット】
- 非常に耐久性が高い
- 低汚染
- 熱に強い
- カビ、コケに強い
【デメリット】
- 価格が高い
水性塗料?油性塗料?

同じ種類の塗料でも、水性と油性が存在します。
塗料には「樹脂」「添加物」「顔料」が含まれていて、それぞれは個体なので液体で溶かすことによって塗布し、乾燥させて密着させます。
塗料を溶かすときに使われる液体が、水なら水性塗料、シンナーなどの溶剤なら油性塗料となります。
一般的に水性と油性では次のようなメリット、デメリットがあります。
水性塗料
【メリット】
- 臭いが少ない
- 保管が楽
- 人体への害が少ない
- 油性より価格が安い
【デメリット】
- 油性よりも耐久性で劣る
- 塗装できない下地が多い
- 低温で塗ることができない
油性塗料
【メリット】
- 水性よりも耐久性に優れる
- 汚れがつきにくい
- 低温でも乾かしやすい
- 下地の多くで使用可能
【デメリット】
- 臭いが強い
- 人体に有害
- 水性より価格が高い
どちらも長所と短所があり、すぐにはきめられないのではないでしょうか。
実は業者によっても様々な見解があるようです。「今は水性が主流です」という業者もあれば「屋根塗装は油性がオススメ」という業者もあります。
現に、水性、油性どちらの塗料もそれぞれのデメリットを補った商品が開発されていたり、塗装にどちらの塗料を用いても同価格に設定している業者も存在します。
様々な条件で適した塗料は変わります
いかがでしょうか。ここまで様々な種類の塗料を見てきましたが、どの塗料にも長所と短所があり、「これさえ選んでおけば安心!」という塗料はありません。
屋根材によって使うことができる塗料は変わりますし、どんなに性能が高い塗料を使ったとしても、価格や仕上がりにお客様が納得できないのであれば、それは適した塗料とは言えないわけです。
お客様と施工業者がしっかりと打ち合わせをして、長所も短所も納得したうえで決めたものが最適な塗料ではないでしょうか。