塗装工事とは、建築物の素材(ALC・RC・鉄やサイディングボードなど)に塗装を行う工事です。 様々な既設な下地の上に密着して、見た目を綺麗にして美観性を高めるのはもちろん、何も施していない下地よりサビ、腐食、劣化を防ぐ効果もあるため、機能的にも重要になってきます。


 塗装工事の種類

塗装工事は、現場で直接施工するだけでなく、工場などで部品や部材を塗装するケースもあります(焼付塗装など)

工場で塗装するメリットは、天候や気温の変化などに左右されないため、同じ状況下で同じ品質の物を作りやすい点です。現場では困難な作業も、工場で塗装することで円滑に工事が進み、安全に施工できます。

住宅の外壁の主役も実は塗装されている

サイディングボードなど外壁材も表面に塗装が施されています。

サイディングボードは、美観性の高いものからシンプルなものまで、たくさんの種類があります。そうした建材に同じ品質で美観性の高い塗装を施工できるのも工場だからできることではあります。

塗料の種類

塗料には、容器に移してすぐに使える1液性のものと、撹拌混合して使う2液性のものがあります。

成分別に見ると、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・光触媒など、様々な種類があります。
業界ではシリコン系の塗料が一番よく使われていると言われています。コストパフォーマンスも品質も安定しているため、広く普及しています。
近年は塗料の開発が進み、様々な塗料が出てきています。

塗料の選び方。何が1番いいのか

近年、塗料メーカーから色々な種類の塗料が販売されています。それに伴って品質や耐久性が向上している一方、インターネット上で様々な情報が飛び交っていますので、塗装工事を考えている方で何が最適な塗料なのか、選定方法は正しいのかなど、そういった不安や混乱をしている方が続出しています。

塗料について情報収集して勉強をしても、プロの職人さんから見た時に使用する塗料の判断が違う事もあります。

中には、自社オリジナルの塗料やメーカーさんと開発した塗料など、業者さんが自ら考えて作った塗料も存在します。
ただ、壁にとって良い素材をブレンドして耐久性能を高めたと謳っている製品が多いのですが、割高なわりに耐久性や美観性などが著しく向上している印象はありません。「各社メーカーから出されている塗料と大差がないのでは?」と、疑問に思う声もあります。

一般的な住宅では、総合的にバランスのいいシリコン系がよく使われているようです。まずは業者さんの説明を聞いて、しっかり理解してから判断される事をオススメ致します。

塗装の耐用年数

耐用年数とは「塗装の賞味期限」みたいなもので、塗装が耐えられる指標となります。
塗装の耐用年数は2つの目安があります。

1つ目が塗料の耐用年数です。塗装を施した後に、塗料が何年くらい耐えられるかを表したものです。

2つ目が被塗物自体の耐用年数です。住宅などの場合、国税庁が公表している建築材ごとの建物自体の寿命を公表しているものになります。

外壁塗装を保つご自宅のメンテナンス

外壁塗装は、新築時から5年~7年を目安に行うと良いでしょう。

塗装が劣化していくと、住宅の骨組みである木材や鉄骨、鉄筋コンクリートが気温や湿気の影響を受けて、多少ながら変形してしまいます。そのため、お家をキレイな状態に保つには、以下のようなポイントを定期的にチェックする必要があります。

  • 外壁のコーキングやサイディングボードの劣化や反り
  • 下地の状態は良好か
  • 雨漏りしていないか
  • サビや虫食いなどはないか

これらを踏まえた上で、しっかり補修や修理、補強をしたのち、仕上げの外壁塗装となります。

しかし、用いる塗料の種類によって耐えられる年数は変わりますし、塗装の業者だけでは下地補修工事や防水工事に弱いなどデメリットもあります。そのため、総合的にしっかり工事をしてもらえる業者とお付き合いされることをオススメ致します。
そして、注文者がしっかり選定してオーダーを出すという流れが理想的な工事です。

業者選びのコツや選び方。一括見積りサイトとは?

最近はインターネット上で一括見積りができるサイトが増加しています。インターネット上で「外壁塗装」や「リフォーム」などと検索すると、「一括見積もり」を謳ったサイトや広告をよく目にします。

これらのサイトは、住所や名前など簡単な情報を入力して送るだけで、複数の塗装店から情報・見積もりが得られるため、とても便利なサービスです。ただ、一方でリスクもあります。

紹介業者が全て良い業者とは限らない

優良業者は常に多くの顧客を抱えているので、集客用に一括見積りサイトを利用する必要はそこまでありません。

中間マージンが発生する分、工事費用が上乗せされる恐れも

見積もりサイト経由で契約が成立した場合、一般的には請負金額の10~15%くらいをサイト運営企業へ支払う仕組みになっています。
そのため、直接問い合わせた人と同じ品質の工事をする場合、業者によっては、通常価格に10~15%を上乗せされている可能性があります

業者の訪問営業(セールスマン)に頼むのは安全か

昔は知識がないことをいいことに、消費者の方やご老人の方などが悪徳業者と法外な値段で工事契約をしてしまい、手抜き工事をされ、返金できないなどと言われる被害が続出しました。ニュースで連日そういったニュースが流れていました。
訪問販売に良い印象がないのは、このイメージがあるからでしょう。

ですが、近年ではそうした悪徳業者は減少しています。消費者を守るための法律や、消費者自身の周知によって、商売自体が成り立たなくなったからだと筆者は考えています。

今では、会社名をインターネットで検索するだけで、実在する会社か? どんな会社なのか? 施工事例などはあるか? などをインターネット上で調べられます。会社として怪しいと思う点がないかよく見ていけば、訪問販売会社でも優良な業者が見つかるでしょう。
悪徳業者は、素性を隠して消費者に近づき、無理矢理工事するという手口が考えられますので、今の時代では通用しにくいと言えるでしょう。

近年では優良な訪問販売業者もたくさんありますし、実績がたくさんある会社もあります。訪問営業のセールスマンだからといって、悪徳な会社とは限りません。
ただ、悪徳業者がなくなったわけではないので、じゅうぶんご注意ください。

消費者を守る消費者契約法と特定商取引法

手抜き工事などの被害にあわないよう消費者を守ってくれる法律に「消費者契約法」があります。

施主が業者と契約をするとき、両者のあいだには情報格差があります。そのため施主は業者の話が本当に正しいのか、判断できません。結果、悪徳業者による手抜き工事などの被害にあってしまう方がいました。

こうした事態を防ぐため、2001年に施行されたのが「消費者契約法」です。消費者庁のホームページでは、次のように説明されています。

同法は、消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消しと不当な契約条項の無効等を規定しています。
また、平成18年の法改正により消費者団体訴訟制度が導入され、平成19年6月より運用されており、平成20年の法改正では、消費者団体訴訟制度の対象が景品表示法と特定商取引法に、平成25年の法改正では、食品表示法に拡大されました。
その後、平成28年、30年には、取り消しうる不当な勧誘行為の追加、無効となる不当な契約条項の追加等の民事ルールの改正が行われました。

消費者契約法 | 消費者庁

もうひとつ覚えておいていただきたいのが「特定商取引法」です。

訪問販売、通信販売、連鎖販売取引等といった消費者トラブルを生じやすい特定の取引形態を対象として、消費者保護と健全な市場形成の観点から、特定商取引法を活用し、取引の適正化を図っています。 特定商取引法では、事業者の不適正な勧誘・取引を取り締まるための「行為規制」やトラブル防止・解決のための「民事ルール」(クーリング・オフ等)を定めています。

特定商取引法 | 消費者庁

結局は何を基準に業者を選べばいいのか

具体的な例で言うと

  1. 地元の工務店や気に入った業者をインターネット上で調べて直接依頼して見積りを出してもらう。
  2. 工事をされた近隣の方に話を聞いて紹介してもらう。
  3. 業者の診断を受けて、話を聞いてから選ぶ。

業者選びは人と人との縁でもありますし、塗装はお金のかかる工事です。

工事の値段も判断の基準ではありますが、工事業者さんの人柄や誠実さ、どういった会社なのか、どういった流れで工事をするのか、塗料のことやアフターフォローなど、しっかり説明を聞いて納得してから工事を決められるといいですね。

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