皆さんが住んでいるご自宅は、最後に外壁塗装してからどれくらい経っているか覚えていますか? 一般的な目安として、新築または外壁塗装工事をしてから約10年が、次の塗り替え時期と言われています。
この記事では家の外壁を塗装する際のポイントをまとめました。
そもそも外壁塗装って必要?
普通に家の中で快適に生活していると気が付かないかもしれませんが、外壁が外気や風雨に耐えるために塗装は必要なのです。
生活を脅かすようなトラブルが発生してからでは、外壁のみならず家屋内部の建材まで劣化している場合があり、そうなると塗装だけでは修繕できず、膨大な費用がかかってしまうことになります。
定期的に外壁塗装をおこなうことで、結果的にトータルでの費用を安く抑えることができ、家自体も数倍長持ちするとも言われています。
塗装せず放置すると……
そうは言っても外壁塗装は安くない費用がかかります。「できればやりたくない……」と考えてしまうかもしれません。
では、塗装が劣化しているにもかかわらず、放置し続けるとどのような症状が起きるのでしょうか。
汚れ
以前より汚れが目立つようになったと感じた場合、塗装が劣化している恐れがあります。ここから悪化してカビなどが発生する場合もありますので注意が必要です。
カビ
塗装が劣化して防水性がなくなってくると、湿気を好むカビが発生しやすくなります。一度発生すると簡単には除去できません。また、アレルギーなど人体に影響を及ぼす恐れもあります。
コケ
カビと同じく、塗装の防水性の低下によって発生するのがコケです。立地条件や気候にも左右されるので一概には言えませんが、もし発生した場合は放置するとそこから劣化が始まる恐れがあります。
サビ
壁材に金属系の素材を使っている場合は、防水性の低下によってサビが発生します。壁材ごとの交換が必要になる前に対処が必要です。
ヒビ割れ
塗料や壁材の乾燥収縮によって起きるのがヒビ割れです。細く短いヒビであれば緊急性は低いので、ヒビ割れが大きくなっていないか注視するようにしましょう。
大きなヒビ割れや、外壁自体が割れてしまっている場合は早急に修繕が必要です。
塗装をしないことによって起こるこれらの症状は家の寿命を短くし、なにより美観を損ないます。
外壁塗装の相場はいくら?
今住んでいる家を長持ちさせるために定期的な外壁塗装は避けて通れないということはご理解いただけたかと思います。では一体いくらぐらいかかるのでしょうか?
一般的な2階建て住宅の場合、外壁塗装工事は「80~150万円」と言われています。
ずいぶん幅がありますが、これは塗料の種類や劣化の具合など、様々な要因で変化するからです。あくまで目安として覚えておきましょう。
費用の内訳も業者によって異なりますが、おおむね以下の通りです。
- 塗料代:20%
- 足場代:20%
- 人件費:30%
- 利益 :30%
塗料は安ければ良いというわけではない
外壁塗装の費用の中で無視できない割合を占める塗料代。では、どのような種類の塗料があるのか見ていきましょう。
耐用年数 | 1缶あたりの価格 | |
アクリル | 3~5年 | 5,000~15,000円 |
ウレタン | 5~7年 | 15,000~20,000円 |
シリコン | 7~10年 | 15,000~40,000円 |
フッ素 | 15年~ | 40,000~100,000円 |
無機 | 15年~ | 50,000~120,000円 |
いかがでしょうか。価格が上がっていくにつれて、耐用年数も長くなることがご理解いただけると思います。
「できるだけ安く」と考えてしまいがちですが、価格の安さだけで塗料を選んでしまうと、頻繁に塗装工事をおこなうことになり、結局高くついてしまいます。
劣化の具合や立地条件など、様々な要素を考慮して、よりコストパフォーマンスに優れる塗料を選ぶことが重要です。
そういった意味でシリコン系塗料が耐用年数と価格のバランスが良く、実際に多くの工事で使われています。
格安業者の価格には「理由」がある
ここまで塗装工事の相場を確認してきましたが、中には相場の半額程度の価格を設定している塗装業者があったりします。
材料仕入や営業の効率化などを「格安」の理由として挙げていたりしますが、実際には施工期間の無理な短縮や手抜き、技術を持たない者に作業させるなど、悪質な行為がおこなわれている場合もあるので注意が必要です。
もちろん企業努力によって低価格を実現している塗装業者もあります。複数の業者に見積依頼を出し、疑問点はしっかり確認するなどして、信頼関係の築くことができる業者に依頼するようにしましょう。
また、早急に対処が必要なトラブルが発生している状態では、複数の業者に見積依頼を出して比べている余裕がないかもしれません。
そういった状況に悪徳業者はつけこんできますので、普段から外壁の状態に気を配り、余裕を持って工事の契約をすることが大切です。
また、屋根塗装と同時におこなうことで足場の設置が一度で住み、その分安く収まります。リフォームローンが利用できる可能性もあります。
このように、施工主の金銭的負担を軽減する方法はありますので、価格だけで格安業者に決めてしまう前に、もう一度よく検討しましょう。
外壁塗装は計画的に
ここまでお読みいただいた方は、定期的な外壁塗装の重要性と、塗装工事を依頼する際の注意すべき点がご理解いただけたのではないでしょうか。
とは言っても、塗装工事は決して安くない費用がかかりますし、施工中は足場があることによる防犯上の不安であったり、臭いの問題があったりと、何かと不自由があったりします。
ですから、少しでも納得のいく形でトラブルなく速やかに塗装工事を終えるために、前もって計画しておくことが大事です。
じっくりと時間をかけて信頼のおける塗装業者を探し、打ち合わせを重ねて不安を取り除くことが、よりよい塗装工事に繋がります。